奈良県営プール跡地ホテル
教育や子育て・医療環境の悪化を放置し、ホテル事業への血税投資を強行。ひとつのホテルに220億円の税投入
(参考)奈良県小中学校へのエアコン設置(80億円)、奈良高校の立替(40億円)
問題点
・県営プール解体に多くの県民が反対したが、民意を無視し政策を強行した。
・2007年当初、2010年の遷都1300年祭に合わせたホテル誘致が目的だった。
・立地の悪さから手を挙げるホテルが現れず誘致計画失敗。8.3億円もの巨額の血税を損失。
・220億円もの巨額を支払い商業エリアをつくる条件でマリオットホテルを誘致。
・誘致失敗を血税でもみ消す形となった。
奈良県の国際級ホテル誘致が実現へ、県営プール跡地活用
奈良県は2015年12月19日、県営プール跡地活用プロジェクトの優先事業者に、不動産開発やホテル経営などを行う森トラスト(東京都港区)を代表とした3社を優先交渉権者に決定したと発表した。県は課題だった国際級ホテル誘致への第一歩として期待している。
プロジェクトには3社ずつの2グループが応募。県や奈良市、奈良商工会議所など産官学の関係者による審査委員会の審査の結果、優先交渉権者が決まった。
審査委員会で森トラストを代表構成員とするグループは、「ホテル整備とブランド」で、進出ホテルが四つ星を獲得している世界的に認知度が高いブランドであることを明らかにした。ただし、契約交渉中のため、具体的なブランド名は、現段階では外部には非公表。
委員会は、外観が天平文化を象徴する社寺仏閣の特徴的な構成要素をデザインモチーフとして現代風にアレンジし、「奈良」を象徴する新たなランドマークになると期待を示した。
さらに「事業遂行能力」について、森トラストが、五つ星を含む国際ブランドホテルの事業実績を数多く有しており、ホテル事業計画も具体的で実現性が高いと結論付けた。
(続報)
延べ床面積18000m2、客室数151室、敷地面積4400m2だったので当初計画の方が若干規模が大きかった。デザインも少し異なっている。
奈良は多くの観光客が訪れる一方、ホテル・旅館が少なく客室数は全国最下位。 2013年の宿泊者数は265万人と全国ワースト2で大型ホテルの誘致が待望されていた。( しかし、客数151室は大型ホテルと呼ぶにはほど遠い)
しかし事実はこうだ。
荒井知事就任1年目、2007年末に、年間8万人の利用者があった県営プール(新大宮)を無理やり解体し「2010年の平城遷都祭に間に合わせるようホテル誘致したい」と説明。
県民はプール解体に反発をした。代替施設建設を求める署名5000筆が寄せられたが、荒井知事は「政治的な署名で無効」と述べて取り合わず。しかし、立地するホテルは現れず空振りで2010年の遷都祭に間に合わなかった。
2010年末に「隣接する奈良警察署が邪魔だから移転させてさらに大きな更地を確保しホテル誘致」と転進するが、立地をするホテルは現れなかった。「爆買いツアーを見込んだショッピングモール併設型」「天平風テーマパークホテル」「星野リゾート誘致」など計画も空振りに終わる。これまでに8.3億円の損失を出しました。
ようやく決着したのが、マリオットホテルであったが220億円の街をつくり、賑わいを創出することが条件となり、立地に至りました。コンベンション施設・屋外多目的広場・駐車場・バスターミナル・NHK奈良放送会館など、ひとつのホテル誘致に対して、巨額の税投資をしたのは全国で例を見ない異常な状況となっています。